サイト管理人: 2006年9月アーカイブ
梅雨の中休みの頃から晴れた青空の下で飄々と漂っている黄色いトンボが目に付きます。新聞には「もう赤とんぼが」などと書かれたりしますが、南から北へ短期間(幼虫期間は40-50日)に繁殖を繰り返しながら北海道まで達する移動性のトンボです。出現し始める初夏の頃には全く止まってくれませんので撮影は困難です。ところが秋になりますとご覧のように止まってくれます。産卵場所は水があれば何処でも良いらしく、水を張ったばかりの水田が主な繁殖地のようです。普通の池や沼ではいくら産卵・孵化しても外的が多くて育たないのでしょう。この「ウスバキトンボ」のヤゴが捕獲されることはほとんどありません。しかし、ビオト-プの造成が始まって水を張ったところに真っ先に発生したのは「ウスバキトンボ」のヤゴでした。学校のプ-ル、変わった場所では「芸術センタ-青森」の野外ステ-ジ前の消毒された水場に発生しています。現在、終齢のヤゴや羽化したばかりの成虫も見られます。
激しく共食いする習性があります。(2006.9.23.)
ついこの前、「アメリカシロヒトリ大発生の予兆」として紹介したが、陸奥新報(9月18日付)が津軽地方の事例として報道した。シルバー人材センターなどへ9月まで申し込み数が1300件を超えるという。人手も防除費用も積算すれば大きなものになる。
この蛾は一度に数百の卵を固めて産む。孵化した微少幼虫は、ある期間は網を張って集団生活をする。これは慣れるとすぐ分かり高枝バサミで切除して処分すればこれですむ。6月の中下旬と8月上中旬に市役所とか町内会が音頭をとって双眼鏡などをもって巡回すれば良いのだ。それをしないである程度成長して分散、目につき始めてから騒ぎ出して、挙げ句の果て高い防除費を一般家庭が請求される。
最近では、庭に木を植えて緑を楽しんでいたのに、この幼虫の大群に襲われ、それが隣家にも侵入するものだから数万円の金を払ってせっかく育てた樹木を伐採する羽目になたという話も聞く。何もそこまでしなくても翌年から気をつければ良いのに。
日本人の教育水準は高いと言われるが、科学的なものの考え方がどんどん衰退している。知恵がまったく身に付いていない。
そう言えば、先般から続いている西海岸沿いに秋田から侵入するかも知れないと騒ぎ始めたマツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウの場合もそうだ。これには何千万円という大金が浪費されそうだ。(萩野)
秋も深まり、彼岸の頃となりました。窓を開ければ「カンタン」「エンマコオロギ」「タンボオカメコオロギ」などの鳴き声が聞こえてきます。
中でも「ルルルルルル・・・・・」と連続して鳴くカンタンは姿も美しいので好かれる虫ではないでしょうか?ヤブの上に目を凝らして散策すれば画像のような珍しい風景をも観察できるでしょう。
一般にコオロギ類は精子の詰まった精球の受け渡しによって交尾が完了します。この時雄は誘引物質を背面から放出して♀がそれを舐めている間に精球を渡すのです。画像では♀のカンタンが透明な♂の前翅の下に潜り込んでいます。9月13日の11時頃、こんな風景があちらこちらで見られました。
今から28年前(1978年)に平川市平賀地区に侵入が発見されたアメリカシロヒトリは、この蛾がもつ温量に関わる生理的な要因から本県では定着できないとされましたが、その後、数年ごとに被害を及ぼすほどの発生が繰り返されています。
小生は青森市の住宅地で3年前から定点観測をしていますが、ことし2006年は1回目の成虫発生(5月下旬~6月)が目立ち、予想通り2回目の成虫発生(8月)も同様でした。
今から数年前のアメシロ騒ぎほどではありませんが、住宅地周辺の観察結果から今秋は騒ぐひとも出てきそうです。若・中齢幼虫は巣を作った集団生活でこれを除去すれば駆除できます。分散した老齢幼虫になると手がつけられず薬剤散布などになるのですが、多少の気持ち悪さに我慢できるひとであれば、庭木は死ぬこともなく大したことはないようです。
なお、情報では弘前、平川両市も今年は同様傾向だそうです。
(by Hagino / 管理者代行登録)
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